年々難しくなっているオーストラリアの永住権取得。
キレイなビーチにフレンドリーな人、お給料も高い、有給だってばっちり取れるオーストラリアに移住したい…!でも、何年も大学に通うのは高額すぎる…
そんな方の為に、今日は私がワーホリビザで入国してから1年10か月で永住権を獲得するまでの流れと費用を紹介します。
私の場合
- 最終学歴は日本の短大
- 日本では未経験の業界
- 特別なスキルなし
オーストラリアの永住権が欲しい方の参考になればと思います。
永住権はSubclass 187 Regional Sponsored Migration Scheme
地方ビザの一種です。オーストラリアの企業からスポンサーをもらいました。大まかな条件は下記の通り。
187ビザの条件
- 費用AUD4,045~
- 45歳以下
- ある程度の英語力がある(Competent)
- 地方都市にある企業からスポンサーをもらう
- 職業は政府指定のskilled occupationsに指定されているもの
- スポンサー企業で最低2年間勤務すること
- ポジションに関係した3年~の経験がある
- 必要ならスキルアセスメントを受ける
Regionalというくらいなので、シドニー、メルボルン、ブリスベンなどの大都市では獲得できません。
詳細は政府公式サイトへ>>https://immi.homeaffairs.gov.au/visas/working-in-australia/regional-migration/eligible-regional-areas
英語力のCompetentレベルはIELTSの場合は全科目で6以上です。>>https://immi.homeaffairs.gov.au/help-support/meeting-our-requirements/english-language/competent-english
まずは会社にビザのスポンサーをお願いする
仕事が好きだったので、ワーホリが働ける限界の6か月以上働く方法がないかと同僚に相談。その結果、ボスにスポンサーをしてもらうのはどうかとアドバイスを受けました。
この話が出たのは、既にビザスポンサーを受けてるスタッフが会社に何人もいたからです。
スポンサーする価値のある人材である、と思ってもらう為に試用期間の3ヶ月は特に一生懸命働きました。前職のホテルレストランでクビになってるので、またクビになりたくなかったのもありますが(笑)
試用期間の3ヶ月が終わると同時にボスに「ビザスポンサーに興味があるんだけど」と話を持ち掛けたところ、あっさりOKを貰いました。会社がすでにスポンサー経験有だったので、ハードルが低かったのかなと思います。
「楽しい仕事を続けられる!」ってことでとっても嬉しくて、仲良しの同僚に報告して祝ってもらいました。
すぐにビザエージェントに連絡が行き、書類集めを開始
提出した書類
- 身分証明書をあるだけ
- 英文履歴書
- オーストラリアのポリスチェック
- 日本の無犯罪証明書
- 日本の戸籍謄本(英訳)
- 短大の卒業証明(英文)
- 部署の上司からの推薦文書
- ビザ用健康診断(BUPA使用)
- IELTSのスコア(平均6.5)
- 会社からの採用通知(ポジション名、給与も明記)
会社がいつも使っている地元のビザエージェントとのやり取りは全てメール。総務のマネージャーはいつもCCに入れていました。
短大の学位しかなかったので、RPLでビザに必要な資格をゲット
他のスタッフと同じポジションは大学の学位がないと申請できないという理由で違うポジションでの申請でした。
移民に永住権を与える以上、このポジションは「他のオーストラリア人ではなく、移民の私でなければできない仕事」である必要があります。
日本では商社の一般事務。これと言って特別なスキルがなかった私は日本語能力が絶対に必要なポジションで申請。
更に、ホスピタリティーのサティフィケート4が必要だったんですが、学校に通ってる時間が無いため、RPL(Recognition of Prior Learning)というシステムを使いました。
RPLとは
- オーストラリアで学校に行かず、既に持っている資格や過去の経験、技術、知識をRTO(Registered Training Organisation)を通して証明する事でオーストラリアのサティフィケートをゲットできるというシステム。
RTOに指定された教育機関はオーストラリアの全国に約4000。RTOで取れる資格は下記の通り、履歴書に資格として記載できます。
RPLで取得できる学位
- Certificates I, II, III and IV
- Diploma
- Advanced Diploma
- Graduate Certificate
- Graduate Diploma
日本語の能力を証明するのに、わざわざ日本語を話してるところをビデオに撮ったりしました。日本で短大まで出てるのは日本語能力の証明にならないそうで…
ホスピタリティーだったので、掃除してるところとか、ゲストを迎えに行ってるところも動画で証明を取りました。
学校に通わず、フルタイムで働きながらオーストラリアの資格が取れるので時間も費用も節約になります。
私の場合、必要な能力証明(主に撮影)にかかった時間は数週間、費用は1700ドルほど。学校に通うよりも圧倒的にコスパが良いです。
こんな人におすすめ
- 日本で何か資格を持っている
- オーストラリアでも日本の資格が生かしたい
- でも学校に通うお金も時間も節約したい
オーストラリアに引っ越すことで今まで積み上げてきたキャリアがゼロになる、って考えたらすごく怖いですよね。
そんな事ありません。日本での経験は、絶対に生かせるし、価値があります。
ビザ費用の約14,000ドルは全額会社負担、自己負担は約1,500ドル
ビザの申請費用、RPLの費用、エージェントの手数料など、ほとんどは会社が負担。
私はビザが承認された時にレシートをメールでもらいました。
自己負担したもの
- 日本からの書類取り寄せ費用
- 取り寄せた書類の英訳費
- BUPAでの健康診断費
- ブリスベンへの往復飛行機代
- ブリスベンでの宿泊費
- IELTS受験費
ビザの健康診断は指定の病院で受けないといけなかったので、最寄りのブリスベンまで飛行機で移動。この時に総領事館で日本語の書類(戸籍謄本など)の英訳をお願いしました。
英訳はNAATI(National Accreditation Authority for Translators and Interpreters)公認資格を持ってる方の翻訳が必要です。
私はブリスベンの語学学校にいる間にとったIELTSのスコアがビザ申請に必要な全科目6以上を満たしていたので受け直しは不要。
このスコアが足りなかった先輩は、必要なスコアが取れるまで何度も受験したそうです。
必要な飛行機、ホテル代も、もちろん自己負担なので、地方に行く前にスコアを取っておくのがオススメです。
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ワーホリ終了とともにブリッジングビザ切り替え、10ヶ月で承認
ビザ承認までの流れ
- 2015年 1月 ワーホリ開始
- 2015年 6月 就職
- 2015年 9月 試用期間終了、スポンサーのお願いをする
- 2015年12月 ビザ申請
- 2016年 1月 ワーホリビサが切れると同時にブリッジングビザへ
- 2016年10月 ビザ承認
- 2018年10月 退職
ブリッジングビザ期間中はオーストラリア国内から出られないので、有給を取っては国内ひとり旅を満喫していました、
ビザが承認されてから2年経った時の事務手続きは一切不要。
2年の間に自己都合で退職した場合、ボスから移民局へ連絡が行ってビザ取り消しになる可能性有とのこと。もし、会社が倒産してなくなった等は不問らしいですが、、
永住権と言っても、5年以上オーストラリア外に出ていると Resident Return (RRV) の申請が必要です。
※現在は新型コロナウイルスの影響でこのビザの申請受け付けはされていません。
どんな企業がビザのスポンサーをしてくれるのか
- 資金力に余裕がある
- 既に誰かをスポンサーした経験がある
- 日本人スタッフが必要(地方観光地とか)
- オーストラリア人が持ってないスキルを活かせる
資金に余裕のなさそうな企業は難しいと思います。どうしても必要な人材なら可能性があるかもしれませんが。
私をスポンサーしてくれた企業は日豪プレスで求人を出していました。
SEEKでもビザスポンサー可能性あり、の求人をたまに見かけます。
多くの人が住みたがらない地方都市では人の入れ替わりが激しいので、スポンサーをする事でスタッフを少なくとも2年確保できるのは企業にとってもメリット。
ただ、観光地も新型コロナウィルスの影響で大打撃を受けているので、スポンサーをできる金銭的余裕のある企業は減っています。
私を含め過去に何人もスポンサーしてきたボスも、私が最後だと言っていました。
永住権を餌に外国人を酷使するような悪徳企業もあるので、スポンサーの希望を出す前に「本当にこの地方に住んで、同じ会社で2年以上楽しく働けるかどうか」を見極めることが必要です。