オーストラリア生活

【保護猫と暮らして2年】シドニーの猫事情、レスキューのすすめ

実家で猫と育った彼の提案で、一軒家に引っ越すと同時にFacebookで見つけたレスキュー団体から当時生後半年の茶トラの男の子を家族に迎え入れました。

日本の実家にいたのは犬ばっかりだったので、猫と暮らすのは初めて。今のところ、快適です。

これからオーストラリアで猫を家族に迎えようと考えている人の参考になればいいかなと思います。

地域のレスキュー団体からの譲渡

クイーンズランド州のド田舎にある、バニングス(オーストラリア人のほとんどが大好きなホームセンター)の業務用ゴミ箱に生後数日の茶トラの兄弟7匹がまとめて捨てられていたのをレスキュー団体が保護。その後、一時預かりのフォスターファミリーの家で育ち、新しい家族を探していました。

当時うちの子は生後6か月、7匹のうち最後の1匹でした。

レスキュー団体から譲渡を受ける場合のプロセス

譲渡費用は250ドルでした。

費用に含まれていたもの

  • 去勢手術済
  • マイクロチップ処理済
  • 州への登録済
  • トイレトレーニング済
  • 最初のワクチン接種済
  • 健康診断済

まず、レスキュー団体に連絡を取り、どんな猫が希望か伝えます。

私は茶トラ希望でした。その希望を元に、譲渡可能な猫を何匹か候補にあげてくれるので、そこから会いたい猫を決定。決まったら直接一時預かりの家族(Foster Care Family)に連絡を取り、初めての対面におうち訪問。

私たちは3軒訪問、会った猫は黒猫のママと生後3ヶ月の女の子、生後1年の茶トラの兄弟、そして茶トラの男の子でした。黒猫親子と兄弟はできれば離れ離れにせず、2匹とも引き取って欲しいとのこと。

その日は家に帰り、猫に詳しい彼両親に電話で相談。迷った末に、1匹で引き取り可能だった茶トラの男の子を引き取ることに。兄弟猫やフォスターファミリーの犬に囲まれて育ったせいか、1番フレンドリーだったのも魅力でした。

翌日に猫を迎え入れるのに必要なものを買い揃え、また片道2時間かけて猫を引き取りに行きました。往復の車の中ではずっと名前をどうしようかの話し合い(笑)

譲渡の時に獣医さんからの診断書、予防接種の証明、マイクロチップ登録書がもらえます。なくさないように、専用のファイルを作りました。ファイル作りは重要です。

飼い猫は州に登録必須

オーストラリアはマイクロチップが必須です去勢手術の時に一緒に処置してしまうのが一般的。

譲渡時はフォスターファミリーの名前で登録がしてあるので、市役所に行って変更申請をします。万が一迷子になった場合でも、獣医さんがチップをスキャンすれば登録してある携帯番号に電話をもらえるので、獣医さんまでお迎えに行けます。

クイーンズランドからニューサウスウェールズに引っ越した時も申請が必須。

ここでのトラブルは、クイーンズランド州よりニューサウスウェールズ州のマイクロチップナンバーが1桁多かったこと。単純に住所の変更だけができなかったので、再登録が必要でした。全国で統一すればいいのに…!

更に別の問題も発生。去勢済のペットは去勢されていないペットに比べて登録費が安いんですが、去勢の証明書が必要でした。

最初にレスキュー団体からもらった診断書は去勢証明の項目と、ペットの名前が同じページになかったという実にくだらない理由で受理されず。

近所の獣医さんに猫を連れていき、去勢されたままなこと確認してもらって新しい診断書をゲット…市役所ってそんなもんですかね。切ったものが再生するわけないのに。。獣医さんも呆れていました(笑)

オーストラリア固有種を襲う野猫は駆除対象

オーストラリア人って猫を嫌いな人が多いんです。猫がオーストラリアの固有種の動物たちを襲って、絶滅させてしまうから、というのが主な理由。希少種が絶滅の危機に瀕しているとの研究が出ています。

もとはといえばファームでネズミなどの害獣駆除の役目を持って飼われていた猫。勿論1700年代に去勢なんて概念はなく、結果猫の数が爆増。ファームを離れて野生化した結果、何百万の野猫が貴重な固有種を絶滅に追い込んだわけです。

野生化した野猫はFeral catと呼ばれ、家猫や、近所の野良猫に比べて大型。うちの猫もバルコニーで寝ていたところを野猫に襲撃され、怪我をしたので慌てて獣医に連れていきました。病気を持っている事も多いそうで、抗生剤を注射してもらいました。

最近でも去勢しない飼い主が、手に負えなくなった猫を近所の森に棄てたりするので、状況は改善せず。現在、推定200万から600万匹の猫がオーストラリアにいると予想されています。

2016 年には約21万匹の野猫が駆除されました。使われたのは飛行機から毒入りソーセージをばら撒くという方法。2020年は銃殺、毒餌、罠を使って200万匹の駆除を目標にしているとのこと。毒入りソーセージは飼い犬やほかの動物達も食べてしまう可能性があるってことで反対派も多いので、どうなることか…

ビクトリア州では飼い猫に対して規制を強めています。よその家の庭に侵入したり、迷惑行為をした場合、猫は押収、飼い主には罰金、刑務所、生き物を飼う事を禁止にされることもあるので、家から出さない方が猫の為にも安全です。

ニューサウスウェールズやクイーンズランドはそこまで規制は厳しくないですが、夜行性の固有種も多く、交通事故の危険性があるので夜間は家から出さないのが基本です。

飼うならレスキュー団体から

シドニー周辺のレスキュー団体

  • Cat Rescue Mission
  • Kittie Kat Rescue Inc.
  • Sydney Dogs and Cats Home

都会に見えるシドニーも郊外に行けば野良猫のコロニーや捨てられた子猫が見つかるようで、たくさんのレスキュー報告が上がっています。新しい家族が見つかるのも早いので、気になる子がいたら迷わず連絡をしましょう。

オーストラリア各地で活動しているRSPCAが有名ですが、ローカルのレスキュー団体、市が運営しているシェルターでもたくさんの動物たちが新しい家族を探しています。私たちも先日地元役場のアニマルシェルターに見学に行ってきました。

Gumtreeでも猫の売買がされていますが、去勢されていなかったり、トイレトレーニングができていなかったり、最悪、悪徳ブリーダーもいるようなので私は使いません。念のため。

猫との暮らしは楽しいものです。慣れてくると表情の差とか、何が言いたいとか、なんとなく分かってくるんですよね、不思議。より多くの猫が、人間と上手く共生できるといいなと思います。

飼う時は、責任を持って、最後まで。

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ほしこ

2015年1月、ワーホリビザでブリスベンに。 航空系の現地企業でスポンサーをもらって永住権取得。 ハミルトン島2年半→エアリービーチ1年→現在、シドニー在住3年目。 趣味は旅行、料理、映画、読書。 イギリス人パートナーと保護猫と暮らしています。

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